552、いじめに負けるな

平成24年、大津市の中学校2年生の男子生徒が飛び降り自殺した問題がいじめによるとのことで、連日マスコミで報道されました。そもそも私が講演活動をするきっかけになったのは、自殺する人がいるのを憂い、なんとかしたいと思ったからでした。私の講演では、「相手の痛みを感じられるようになろう。」「相手の気持ちになって考えよう」と言っています。いじめをなくすことに力を入れていますが、それだけなら他の方の講演と同じです。でも「私を見てください。いろんなしんどいことを乗り越えてきた私ですが、今元気にしています。皆さんも自分の命も他人の命も大切にして決して自分からご先祖様からつながってきた命を途切れさせてしまうことのないように。生きていればきっと楽しいこともあるでしょう。」と言っています。そんな講演を10数年。あちこちで命の尊さを訴え続けています。しかし、毎年3万人もの方が自分で命を絶っているのが現状です。
 自殺する人の苦しみ、悩み、つらさははかりしれなく、遺族の方々の悲しみを思うと痛たまれません。今回は、自殺の原因に「いじめ」があったのではないかということで問題視されています。周りも認めるような「いじめ」があったにもかかわらず自殺に至ってしまったのは、とても残念で、食い止められなかったのか悔やまれます。去年の10月のことなのに今頃になっていろんなことが明るみになって、因果関係やら責任やら裁判やら傷害事件などといって関係機関が動き出しました。思春期ですから悩むこともあるでしょう。むかつくこともあるでしょう。そのうっぷんを他人に向けるのはよくないことです。昔は、止めに入る子は格好よかったのですが、最近は、次は自分がいじめられるのではないかと恐れて見て見ぬふりをする卑怯な子が増えました。また、インターネットでの書き込みなど陰湿で表に現れにくいいじめも出てきました。殴ったとしても喧嘩の程度を知りません。加害者と思われる子や家族の写真までインターネットで流れるのは、個人情報の保護が言われている時代に由々しきことです。パンダが死んで大騒ぎするなら今こそ、命はリセットできないことを幼い子に教えるいい機会です。
 テレビのコメンテーターが言わないなら、批判も覚悟で私が言いましょう。いじめはなくなりません。原因を見つけてもなくなりません。もし原因がわかっても自殺は減りません。自殺を減らす方法があるとしたら、強い子どもを育てることです。いじめられても「なにくそ!いつか見返してやる!」ぐらいの気持ちを持たせることが大切です。そして周りがその子の存在を大切にしているということを伝えることが重要です。皆からかけがえのない存在であると思われているということに本人が気付くと、簡単に死ねないと思います。近くにいる家族も「あなたが生まれてきてくれてよかった。」という気持ちを言い続けることが必要です。また学校は、道徳教育を充実させ、生徒一人一人の生きる力を育てるような教育に力を入れてほしいと思います。
 私は、障害があっても支援学校(旧養護学校)ではなく、普通の学校に通っていたので、つらいことは山ほどありました。一つ一つ数えていたら命がいくつあっても足りません。それでも今こうして元気に生きているのは死ななかったからです。普通学校に行かせてもらえたおかげで、悪戦苦闘、もまれながらも打たれ強くへこたれない人間になれた気がします。社会に出たら厳しい現実が待っているのですから、頑張ろうと思って生きてきたことがよかったのです。
 やんちゃな連中の多かった御坊中学校では、あちこちでいじめのような事件が多発していました。でも、今はどちらも立派な大人になっています。私は自転車に乗れないことが悲しくて死のうと思いました。でも18歳になって車の運転免許を取れることがわかったら「車の方が速いしそれまでの辛抱だ」と思いを変えることができたのです。体のことで悩んでも体が良くなるわけではないのだから、もう泣くのはやめようと思ったのです。五体満足の皆さんならいじめなんかに負けないで、これからの楽しい将来を夢見て強く生きていってほしいものです。

551、大平光代さんの本から子育てを学ぶ

家族の絆を大切にし、四季折々の食文化や伝統を尊び、自然の中で日々感謝に満ち溢れた暮らしの中で一生懸命子育てに励んでおられる大平光代さんの本をご紹介させていただきます。『陽だまりの時間』(中央公論社出版)という本です。この著書の中で大平さんは、「子どもを育てるのは親となった者に課せられた「任務」です。(中略)親が三度の食事を作り、それを子どもと一緒に食べ、一緒の空間で過ごす―――それだけで、子どもにとっては立派な教育だと思います。そういう親子関係の中で、日ごろから自然と触れ合い、親しむことを覚えさせていけば、子どもはさまざまな刺激を受け、おのずとたくさんのことを学んでいくことでしょう。」と書いています。友人の裏切りで自殺未遂をした思春期、やくざな世界に身をおいて荒れ果てた時期、目覚めて這い上がろうと必死に資格取得の受験勉強した頃、少年犯罪と向き合った弁護士時代、大阪市の助役としての苦悩の日々などの波瀾万丈の人生を振り返り、ダウン症の娘悠ちゃんと過ごす今が大平さんにとって一番平穏で幸せな時間ではなかろうかと思います。悠ちゃんの成長の記録とともに、子育てのノウハウが一杯詰まっていて、子どもと向き合って楽しく暮らしている様子が伺えます。

550、子どもは親が育てるもの

いつからか「子どもは社会が育てるもの」という考えのもと保育所を増やすのが善政だという考えが広がっています。しかし、私は、「子どもは親が育てるもの」だと思います。乳幼児期には母親の優しさと温かさが必要であり、それを十分に受けてこそ、その後の人格形成がうまくいくと思います。子どもが小さいうちは、きめ細やかな愛情をかけて育てることが大切ではないでしょうか。私の親の世代は、五人も六人も子どもがいるのが普通でした。衣食住すべてにわたって今のように便利ではなかった時代に、母親は赤ちゃんを背中におんぶして畑を耕しながら育ててきたのです。もちろん子ども手当や育児休業基本給付金などもらえません。当時の可処分所得を物価上昇率を考えて計算しても今より生活は苦しかったと思います。そうなるとお金を払えば少子化対策になるという考えに矛盾を感じます。では今とどこが違うのかを考えた時、核家族が増えたこと、外で働く女性が増えたこと、地域のコミュニティが機能しなくなったこと、晩婚化・未婚者の増加でしょうか。保育所建設も一つの政策かもしれませんが、私は三世代同居をおすすめしたいと思います。母親が働きやすい環境を整備するばかりではなく、子どもが「ただいま」と帰ったら「おかえり」と言ってくれる祖父母の存在が必要です。トイレ掃除を教えてくれ、学校での出来事をおやつを食べながら話す光景が目に浮かびます。祖父母の愛情は塾や学童保育では代えられません。祖父母の方も子どもから元気や刺激をもらうことになり呆けていられないし、夫婦喧嘩も祖父母が緩衝剤となることでおさまり、離婚や子どもへの虐待も減るのではと期待しています。

549、夫婦で子育て

男女共同参画を推進するグループウイズ・ア・スマイルとしては男性が育児に協力し、女性の子育ての苦労を分かち合うことを否定しません。日高地域では、よみきかせオヤジの会(中西哲也代表)という男性グループが子どもたちに絵本の読み聞かせを行ない、積極的に育児に参加している様子がマスコミでも取り上げられ話題となっています。「青年会議所に夫を取られた」とまで揶揄されるほど会議や飲み会で家庭を留守にし、子育てを奥さんに任せきりにしていた青年会議所の若いお父さんたちが立ち上がったのですからこの街も進化したものだと思います。私たちも「男の料理教室」や「男の介護教室」などを開催し、男女が協力し合い、家族が仲良く暮らしていける社会の実現に向かって活動しています。子育てにおいても女性ばかりが負担となるのではなく、親として夫婦が助け合って子どもの成長を見守っていけるのが理想的だと思います。

548、イクメンについて

2010年のユーキャン新語・流行語大賞で、「イクメン」という言葉がトップテンに入りました。「イクメン」とは育児を積極的に率先して行う男性、育児を楽しんで行う男性を意味します。今までは産休による出産後、女性が引き続き育児を行うのが一般的でした。これに対し、男性が育児休業基本給付金といった制度を利用し、育児休暇をとって積極的に育児を行う男性が増えました。こういった男性を賛美する言葉として出来たのが「イクメン」です。しかし、厚生労働白書によると育休を取りたいと考えている男性は約3割もいるのに、給与が減る、会社の評価が低くなるといった理由から、実際の取得率はわずか1.56%と少ないのが現状です。そこで6月に改正した育児・介護休業法では、子育て中の従業員の短時間勤務や残業免除を企業に義務付けるとともに、父親の育休取得を後押しする内容が盛り込まれました。

547、「中1ギャップ」をなくそう

和歌山県では公立の7つの中学校が小中一貫教育をしています。小中一貫教育とは、小学校と中学校の教員が9年間の一貫した指導を行うことにより、中学校入学時の環境変化を小さくするとともに、ゆとりある柔軟な教育内容によって個性や能力を伸ばそうとするものです。和歌山市も、中心市街地にある本町、雄湊、城北の市立3小学校を統合、市立伏虎中学校との小中一貫校を設立する方針を明らかにしました。義務教育の9年間を再編成しようという背景には、義務教育の9年間で生徒の発達段階が著しく異なること、発達段階に即した教育内容や指導方法を採ることで教育効果が上がるということがあります。中学校の教員が小学生を教えることによって意識が変化し、小中学校の教職員がともに義務教育の担い手であるという責任感が強まったり、教職員の情報交換がしやすく、生徒数減少によってできた空き教室の利用や文化祭・体育祭などの行事を適正な規模で行えるというメリットがあります。英語を初等教育から導入したいという意図も見え隠れしますが。小学生から中学1年生になったとたん、学習や生活の変化になじめずに不登校となったり、いじめなど問題行動や暴力行為が急増するという現象のことを「中1ギャップ」といいます。小中一貫教育は「中1ギャップ」対策に有効だと考えられています。東京都では,品川区が全国に先駆けて導入していますが,今年までに不登校の増加率が全国平均の半分以下になるといった成果も出ています。大阪市でも同じく小中一貫教育をすでに試行していますが,その成果を受け,大阪市教育委員会は,2011年度以降,市立全校で小中一貫教育を導入することを発表しています。
 さて、皆さんは「中高一貫」「小中一貫」「今まで通り」どのようにお考えでしょうか?制度がコロコロ変わることで子ども達が振り回されるのは困りますが、選択肢が広がったととらえるべきでしょうか。国が教育に対してしっかりとしたビジョンを示してどのような将来を見据えているか真剣に考えていただきたいと思います。

546、受験勉強の意義

私は、高校入試は15歳にとって人生の大きなチャレンジの機会だと考えます。自分の将来を真剣に見つめ、自分の能力を発揮できる高校を自分で選択する絶好の機会です。がんばればがんばっただけの答えが返ってきます。能力に応じた高校や専修学校が段階的に受け皿となっていれば受験勉強をさせることは大きな意義があると思います。

545、中高一貫教育の弊害

大学合格を目標に優秀な生徒を青田買いして、私立高校へ流れないようエリート養成校みたいだと問題点も指摘されています。今までならクラスのリーダー的存在となる生徒がいなくなることも考えられ学級運営にも支障をきたすでしょう。少子化の影響で生徒数が減っているにもかかわらず地元の中学校へ進学せず中高一貫校へ生徒が流れていくのはいかがなものか。地元の中学校へ行かないとなるとふるさと意識も薄れ、御坊市で年2回行っている「見守りネットワーク」など地域の住民とのコミュニケーションもなくなってしまいます。また、小学6年生に適性検査を受けさせるのですから受験競争が低年齢化します。先日日高高校附属中学の適性試験の問題をやってみましたが、プロの受験指導者の私でさえ小学6年生にここまで思考させるのかと驚いたものです。詰め込みによる記憶を問う問題ではなく柔軟な頭脳が必要で、12年間の生活や体験・読書量などが影響を与えます。たった12年の人生でこれから先の進路を決めてしまっていいものかどうか。心身の発達の差異が大きい6年間を同じ学校で過ごすのは選択の幅をせばめはしないかどうか。

544、高校入試について

いよいよ受験シーズンも追い込みの時期がきました。大学入試はセンター試験も終わり、私学は本試験が始まっています。3月に入ると高校入試です。わが塾は高校入試を専門にしていますので、毎年のことながら直前対策や体調管理など生徒以上に神経をすり減らして緊張しています。保護者との面談で3年生のお子様の相談を受けていますと、下の子どもに中高一貫教育の学校を受験させたらいいのかどうかで悩んでいるということでした。日高高校附属中学校は3年前に始まったばかりで今春はじめて入試を受けずに高校部に進級するので実態の把握はできていません。
 中高一貫教育が良いとされている理由については、6年間の計画的で継続した指導により個性や能力を伸ばし、優れた才能を発見できるとしています。また、異年齢集団の交流により社会性や豊かな人間性を育成できるとしています。「15歳の春を悲しませないように」と高校入試がないのも人気の理由です。和歌山県下の公立では平成16年度からの向陽を皮切りに桐蔭・橋本・日高・田辺の5校が地域性を考慮して中高一貫教育を実施しています。

543、スターチスの花言葉

御坊市が日本一の出荷量である「スターチス」の花言葉が「変わらぬ心」「途絶えぬ記憶」ということでJA紀州の「母の日参り」のキャンペーンとして、「ゴールデンウィ―クにスターチスをお供えして墓参りをしましょう」と御坊市と認知症をからめてPRしています。
 私はこの度、新しいちらしが完成し、講演の東京デビューが決まりました。そこで御坊市を知ってもらうのにスターチスを手に「御坊市から来ました柳岡克子です」と自己紹介をしています。講演では「親孝行」の話しのタイミングで母の日参りと認知症についても話します。スターチスを全国に広めましょう。