573、障害者団体に入るメリット

御坊市身体障害者福祉協会には上部団体として和歌山県身体障害者連盟とその上に日本身体障害者団体連合会があります。障害者団体ができたころは、バリアフリーやノマライゼーションといった言葉もない時代でした。障害者にとって団結して訴えていかなければ制度改革など程遠い時代でした。それから、先輩方の努力のおかげで少しずつ法律が整い、障害者の人権も守られる世の中になってきました。そうなると団体に所属して一致団結して訴える意味が薄れてきました。500円の会費を集めるにあたって、メリットを聞かれることがあります。会の行事に参加して、皆と顔を合わせておしゃべりしながら元気をもらう。出て来ていただかなければ会報をお配りするだけとなります。

572、運営が厳しい障害者団体の現状

行政からの補助金や年500円の会費では総会のお茶と記念品で消えてしまいます。そこで回覧版に通信販売の申し込み用紙を挟んでいただくことで収益金の3%を会に寄付していただく事業を和歌山県身体障害者連盟と共同で始めました。自治会長様や班長様のご協力と購入していただいた方々のおかげで助かっています。また自動販売機の設置によって寄付金をいただけるようになり会運営がスムーズになりました。

571、どこにいるの?障害者!

私が御坊市身体障害者福祉協会の会長になった時は、まだ30代で女性では初めてでした。御坊市には約1800名の身体障害者手帳の保持者がいます。しかし、個人情報保護法ができ、誰が持っているのかどこに住んでいるのかわかりません。市役所は公表できないのです。会員は年々高齢化しお亡くなりになる方が増えています。新しい会員を増やしたくても自主的にお問い合わせいただかないと話をすることもできません。そんな中、会のことを多くの人に知っていただき、会員になって皆で障害を分かち会える団体にしたいと思いました。

570、御坊市身体障害者福祉協会の会長を振り返る

平成16年4月29日の総会で、御坊市身体障害者福祉協会の会長をさせていただくことになり10年が経ちました。

 交通事故で義足となった祖母がずっと会員だったのですが亡くなってしばらくしたころです。当時の会長さんから「孫も障害者やと聞いている」と尋ねて来てくれました。「和歌山県で行われる国体予選のスポーツ大会の選手を探していて出てみないか?」ということでした。私は、水泳の選手として参加するに当たり会員になりました。その後、卓球の選手になるのですが、まだ20代でした。障害者の大先輩に地域のことや障害者の悩みなどを教えてもらいました。その後、役員となり身体障害者相談員や肢体障害者部会長になり、県の会議にも出席するようになって親しくしていただける友達もできました。

569、障害者を雇用するメリット

ウインナック株式会社は、自動車関連の仕事が多いこともあり世界同時不況時には、半期で6,500万円の赤字となり経営が非常に苦しくなりました。緊急対策として給与・賞与のカットや非正規従業員の解雇、関連企業への出向、生産調整のため交替出勤などで対応しましたが、交替勤務では一人が数種類の仕事をすることが必要となり、適応が難しい社員はウインナックでする仕事がなくなりました。

そこで雇用を確保するため、平成21年に「ウインワークス」という福祉サービス事業を行う子会社を設立しました。業務はウインナックの下請作業です。障害ある社員のうちウインナックで働き続ける自信がない者を希望によりウインワークスで再雇用しました。仕事の内容や労働条件は大きく変えず、能力を高めるための技術指導や生活支援を積極的に行いながら、一般企業への就労をも支援しています。また業務伝達におけるコミュニケーション支援として手話通訳を配置しています。会社は労務費の軽減により収支が改善しました。利用者も自分に合った働き方が出来るということで負担が軽減しました。また、一般社員の障害者への理解も深まり、双方にメリットがありました。

568、ウインナック株式会社見学


平成23年9月28日、和歌山県身体障害者連盟の肢体障害者部会の研修として、和歌山市雑賀崎にあるウインナック株式会社を見学しました。この会社は、重度障害者を雇用するため和歌山県・和歌山市とアクロナイネン株式会社が共同出資して、平成6年に県下初の第3セクター方式により設立しました。「障害者多数雇用企業」ということで、88人の社員中、肢体、聴覚、知的、精神合わせて40人の障害者を雇用しています。そのうち29人が重度障害者です。仕事は、自動車部品等の金型設計・製造、鋳造、金属加工、模型プラグ組立、リサイクルトナー製造などです。また平成21年からは、就労継続支援(A型)事業所「ウインワークス」を運営しています。

567、障害者の雇用について

障害者の雇用の面におきましては、平成27年4月に障害者雇用納付金制度が改正され、 平成31年4月申告が開始されます。事業主は、常時雇用している労働者数の法定雇用率2.2%以上の障害者を雇用しなければなりません。雇用障害者数が法定雇用障害者数2.2%を下回っている場合は、申告とともに一人当たり月額40,000円(令和2年3月31日より50,000円)を独立行政法人高齢・障害者・求職者雇用支援機構へ障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。週20時間以上30時間未満の短時間労働者(0.5人としてカウントされる)も納付金の申告、障害者雇用調整金等の支給申請の対象になりました。

また、法定雇用障害者数を超えている事業主には一人当たり月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。また、100人以下で、支給要件として定められている数を超えて障害者を雇用している事業主には一人当たり月額21,000円の報奨金が支給されます。

その他、在宅就業障害者等に仕事を発注した納付金申告事業主の申請に基づき、支払った業務の対価に応じた額を支給する在宅就業障害者特例調整金や報奨金が支給されます。その他、施設の整備や介助、通勤やの能力開発における訓練など様々な助成金制度も増えてきて、障害者が働きやすい環境が整ってきました。

法律が作られた当時、障害者に対する考え方の中に、「障害者になると結婚しない、子どもができない、働けない。」という偏見があったような気がします。今頃になって改正とは遅すぎると思いますが少しずつ理解され、普通に暮らしていけるようになってきたことは前進です。

566、障害者の厚生年金

平成18年4月の改正では、障害基礎年金と老齢厚生年金を両方受給することができるようになりました。例えば改正前、障害基礎年金を受けながら会社員として厚生年金に加入していたようなケースでは、65歳になって老齢厚生年金を受けようとすると、今まで貰っていた障害基礎年金とどちらかを選択して受給しなければならないことになり、障害基礎年金を受け続ける選択をした場合は老齢厚生年金の権利を放棄せざるを得ませんでした。そうすると、折角会社員として厚生年金に加入し保険料を払ったことが無駄になってしまい、結果として働く意欲をそいでしまうという問題点がありました。障害を持ちながらも働き、それが年金に反映されるような仕組みができたことで、勤労意欲の向上につながる良い制度改正であるといえます。

565、児童扶養手当の子の加算

児童扶養手当は離婚や死別で一人親となった父母または養育者または両親の一方が国民年金または厚生年金保険法1級相当の障害者に支給されます。今までは障害基礎年金の子どもの加算があるときは児童扶養手当は支給されませんでしたが、今回の改正で児童扶養手当と障害基礎年金の子の加算のどちらか額の多い方が受給できることとなりました。所得制限があるのですが、具体的に1人目なら児童扶養手当は全額支給の場合、月額41,550円の12か月で498,600円となり、障害基礎年金の子の加算227,000円より多くなります。2人目は月額5,000円、3人目は月額3,000円なので障害基礎年金の子の加算の方が多くなります。

564、障害者の年金制度の法改正で朗報

平成23年4月1日より、国民年金法の改正で、障害基礎年金の子どもの加算について朗報があります。1級または2級の障害基礎年金の受給者には、18歳に達する日以後の年度末までまたは20歳未満で障害の子どもがある場合、2人目までは、年間227,000円。3人目からは75,600円加算されています。これは障害基礎年金の受給権を取得したときに子どもがいた場合でした。しかし、今回の改正で、生まれつきもしくは若いころ障害者となって、1級または2級の障害基礎年金をもらっていた人が、その後子どもができた場合にも適用することになりました。

 これと同様に、厚生年金保険法の改正で、障害厚生年金に加給されている65歳未満の配偶者についても、受給権が発生した時は独身でもその後結婚した場合、年間227,000円加給されることになりました。65歳に達したときはその翌月から配偶者の老齢基礎年金に振替加算として227,000円加算されます。生計を維持していることが支給の要件なので、申請が必要です。4月の初めに日本年金機構から案内が届きます。これらの法改正で全国では約7万人が対象となります。