鹿屋を後にして、噴火している桜島を見学し、翌日、知覧特攻平和会館へ行きました。こちらの方が有名なだけに観光客も多く人で一杯でした。まず語り部による特攻の歴史背景と特攻隊員の遺書・手紙などの特色について30分間ほど解説を聞きました。その後資料館を回りました。鹿屋と同じような隊員の遺影と家族・知人に残した遺書・手紙・辞世・絶筆等が展示してあり一つ一つ時間の許す限り読みました。
映画で突撃のシーンを観ていたので、死を覚悟して国のため、家族のため戦ってくれた若き隊員の心の内を思うと涙があふれて止まりませんでした。素晴らしい日本の繁栄を祈りながら逝った人。愛する恋人や妻や子に宛てた手紙。特に感動したのは、母への思いを綴った感謝の手紙でした。その中で一つ「母を慕いて」という継母への手紙を紹介させていただきます。
相花信夫(少尉 昭和20年5月4日出撃戦死 宮城県出身18歳)
母上様御元気ですか
永い間本当に有難うございました
我六歳の時より育て下されし母
継母とは言え世の此の種の母にある如き
不祥事は一度たりとてなく
慈しみ育て下されし母
有難い母 尊い母
俺は幸福であった
ついに最後迄「お母さん」と呼ばざりし俺
幾度か思い切って呼ばんとしたが
何と意志薄弱な俺だったろう
母上お許し下さい
さぞ淋しかったでしょう
今こそ大声で呼ばして頂きます
お母さん お母さん お母さんと
午後からは、薩摩伝承館という薩摩の歴史と文化を伝える美術館で海外との交易で使ったとされる伝統工芸品の数々を楽しみました。夕方、指宿で砂風呂の砂に埋もれ、天候も良く穏やかな海を眺め、はるか遠くに散っていった若き命に思いをはせました。戦争を知らない世代が増える中、語り伝えていかなければならない歴史の重みを感じました。そして、英霊たちが願っていた素晴らしい日本の平和が続きますようにと祈りました。
投稿者プロフィール

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車いすの元気配達人として全国講演活動をしています。子どもから大人まで90分のお話しがあっという間だったと好評です。そのバイタリティーがどこから来るのか実際聴いてみてください。
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