平成27年10月 Vol.41
日本版CCRCの導入にあたって ~シェア金沢を見学して~
人口減少および少子高齢化が進む日本では、
政府主導のもと「日本版CCRC」を導入する機運が高まっています。
CCRCとはアメリカで発展した「Continuing Care Retirement Community」の略称で高齢者が健康なうちに入居し、
必要に応じて介護や医療のサービスを受けながら、
人生最期の時までを過ごせる生活共同体のことです。
取組の先駆けとして2013年9月から導入し、
年間約20万人もの視察があり4月に安倍総理も訪れたという「シェア金沢」を見学しました。
社会福祉法人佛子園が運営するシェア金沢(総面積:約11,000坪、石川県金沢市)は国立病院の跡地で、
都市部からの移住者も含め、健康な高齢者がサービス付き高齢者向け住宅に居住し、
障害児入所施設もあり、学生向け住宅、レストラン、デイサービス、天然温泉、農園、共同売店などが
「ごちゃまぜ」に点在し、ボランティア・農作業・多世代交流・住民自治等を行っています。
また、ケアが必要になった場合には、
医療との連携もあり併設事業所等から介護等のサービスを受けることができます。
そこには、かつてあったよき地域コミュニティが存在し、
学生・高齢者・障害者・子ども・外国人など誰もが分け隔てなく、
共に手を携え、生活している場がありました。
大学生がボランティア活動をすることを条件に家賃が安くなるなど画期的なアイデアを取り入れています。
日蓮宗行善寺住職、故・雄谷本英氏(初代理事長)が
宗教誌の販売をしながら戦災孤児や障害児など
行き場のなくなった子どもたちを庫裏に引き取ったことから始まりました。
昭和35年、障害児施設として「佛子園」を設立し、
社会福祉法人となりました。その後シェア金沢をはじめたくさんの施設が出来ました。
能登町にクラフトビール工場「日本海倶楽部」やレストランを作り障害者の就労支援をしています。
その中で小松市野田町に2004年に後継者不在のため廃寺となり荒れ果てていた西圓寺を譲り受け自分たちで整備し、
高齢者・障害者の福祉施設として再利用した「三草二木 西圓寺」は、
地元住民と高齢者たちが交流を深める地域コミュニティセンターとしての役割をしています。
福祉の拠点(高齢者デイサービス・障がい者の生活介護)でもあり、
働く場(ワークシェア・就労継続支援B型施設)の機能も備え、
「西圓寺温泉」という「みんなが集える4つの機能」として様々な施設が融合しており、
地域の方々が気軽に立ち寄ることのできる場所としてライブが行われたり、
住人同士が分け隔てなく、ともに支え合い、
暮らしを営むための「よりどころ」となっています。
投稿者プロフィール

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車いすの元気配達人として全国講演活動をしています。子どもから大人まで90分のお話しがあっという間だったと好評です。そのバイタリティーがどこから来るのか実際聴いてみてください。
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